東京をゲリラ豪雨が襲う これって日本だけ?世界で頻発する異常気象とは

東京をゲリラ豪雨が襲う これって日本だけ?世界で頻発する異常気象とは

 近年、日本では各地で「ゲリラ豪雨」が頻発しています。東京都心では21日夜にゲリラ豪雨が発生し、東京メトロ・市ヶ谷駅の構内が浸水したほか、新宿ではマンホールの蓋を吹き飛ばす勢いで下水道の水が吹き出す光景も見られました。

 気象庁が発表している「大雨や猛暑日など(極端現象)のこれまでの変化」によれば、「滝のように激しい雨」に相当する「1時間降水量50mm」の発生回数は年を追うごとに右肩上がりで増加し続けており、強度の強い雨は「1980年頃に比べて頻度が約2倍に増加」しています。

 気象庁ではアメダスの観測期間が約50年と短いため断言はできないとしながらも、ゲリラ豪雨のような大雨の増加は「地球温暖化が影響している可能性がある」と指摘しています。日本の気象は年月ともに大きな変化が生じているように見えますが、こうした変化は日本だけで起きているのでしょうか。それとも世界でも気象や気候の変化は見られるのでしょうか。

 米国立環境情報センター(NCEI)によれば、米国でも記録的な高温が観測されており、2024年1-3月における米国の平均気温は歴代5番目の高さを記録しました。そのほか、米サイエンスニュースによると、8月16日には米デスバレーで54.4℃の気温を観測。現在は世界気象機関(WMO)による確認作業が行われており、確認されれば歴代3番目の最高気温となる見込みです。

 また、米国では損失額が10億ドル(約1460億円)を超える大規模災害(干ばつ、洪水、サイクロン、山火事など)の発生件数も年々増加しています。NCEIによると、1980年から1989年の10年間で発生した損失額10億ドルを超える大規模災害は合計33件だったのに対し、2010年-19年の10年間では131件に増加。さらに19年-23年の5年間だけでも102件も発生するなど、大規模災害の発生件数が明らかに増えていることが分かります。

 そのほか、バカンス先として人気を集めるギリシャでも、2024年6月初旬という観測史上もっとも早い時期に熱波が到来。クレタ島では6月にもかかわらず44.5°Cを記録し、複数の観光客が死亡しました。米国やギリシャだけでなく、近年はインドやカナダでも異常気象が観測されており、気象や気候の変化は日本だけの問題ではなく、世界レベルで直面している問題と言えそうです。