衆院選での自民党の惨敗、世界のメディアはどう報じたのか

衆院選での自民党の惨敗、世界のメディアはどう報じたのか

 10月27日に投開票が行われた衆議院議員選挙では、自民党が56議席、公明党が24議席それぞれ減らし、与党の過半数割れの大敗という結果になりました。裏金問題が与党にとって大きな逆風となったという見方が一般的です。

 日本では「今後の政局は不安定化」するという意見が多く見られますが、世界の国々は今回の衆院選の結果についてどのように報じたのでしょうか。

 米国の国営放送「ボイス・オブ・アメリカ(VOA)」は28日、「日本は政情不安に突入した」と報じたほか、首相就任後すぐに衆院解散に踏み切った石破氏について「その賭けは裏目に出た」と主張。

 さらに、自民党は「戦後の日本の政治を支配してきた」と指摘する一方で、今回の選挙結果は「2009年に4年間にわたって政権を失った時以来の最悪の結果である」と強調しました。

 また、ニューヨークタイムズは、日本の有権者の長年の不満が自民党に打撃を与えたと指摘しつつ、安定した民主主義が混乱に向かう可能性があると論じています。そのほか、ワシントンポストは「番狂わせが起きた」と指摘し、米国にとっての主要な同盟国である日本が「政治的混迷期に突入した」と伝えました。

 英BBCは「裏金問題が日本国民を怒らせ、通常であれば退屈な日本の選挙を劇的なものにした」と報じ、日本国民が投票箱を通じて自民党を罰したと伝えました。また、フランスのル・モンドは、日本国民の怒りと不信感は裏金問題だけでなく、物価上昇も一因である可能性を指摘。その根拠として、日本のインフレ率はもはやフランス以上だからだと報じています。

 そのほか、今回の衆院選の結果は欧米だけでなく、中国でも大きく報じられています。中国共産主義青年団の機関紙・中国青年報は28日、自民党の惨敗は2012年に政権を奪取して以来、汚職を重ねてきたことが根本的な原因だと主張。

 また、中国中央電視台は「石破氏は日本の有権者たちが政治資金スキャンダルにどれだけ嫌悪感を持っていたかを見誤った」と伝え、「清廉な政治を求める日本の有権者たちの思いが、自民党の惨敗という結果につながったと言える」と報じています。