「この国を愛し、称賛・・・」 アインシュタインは日本で何を語ったのか
一般相対性理論などを確立し、「20世紀最高の物理学者」と称される天才「アルベルト・アインシュタイン」。ノーベル物理学賞の受賞直後である1922年、学術界からの招待に応じたアインシュタインは日本を訪れ、手記を残しています。
現在、その手記は「アインシュタインの旅行日記」として書籍化されているほか、米プリンストン大学が英語とドイツ語で原文を公開しています。原文に当たってみると、アインシュタインの目に映った当時の日本の姿と、アインシュタインの日本に対する感情や感想が詳細に見て取れます。
アインシュタインは1922年に訪日し、43日間にわたって日本に滞在しました。日本に向かう船のうえでノーベル物理学賞の受賞が決定したということもあり、大正デモクラシーの最盛期だった当時の日本でアインシュタインは大歓迎を受けたそうです。
アインシュタインは講演を行うために日本各地を訪れ、日本の文化や芸術、日本人の生活や精神性に至るまで、さまざまな視点で洞察を行っています。
たとえば、京都を訪れたアインシュタインは京都の人びとについて「上品」であると表現しているほか、日本人について「控えめで繊細で、とても魅力的」と書き残しています。
さらに、ドイツで学んだ多くの日本人がドイツの師を懐疑心を挟むことなく深く敬愛していることについて気づいたアインシュタインは、「日本人には純粋な魂がある」と称賛したうえで「この国を愛し、称賛せずにはいられない」とまで書き残しています。
手記では日本に対するさまざまな称賛の言葉が記されており、アインシュタインが日本や日本人に対して好意的な感情を抱いていたことが見て取れます。ここまで称賛ばかりだと、アインシュタインはすべての国について称賛しているのではないかと勘ぐりたくなるものですが、実際のところ手記の内容は国によってさまざまです。
前述の「アインシュタインの旅行日記」では「公開を考えずに記された日記には異文化への辛辣な批評も目につく」と指摘しており、事実、中国は酷評されていることが知られており、中国ではアインシュタインの手記について「差別だ」と非難する声も根強く存在します。
参考文献