中国ネット民「郷に従うべき」、北九州市の「ムスリム給食」をめぐる騒動に

中国ネット民「郷に従うべき」、北九州市の「ムスリム給食」をめぐる騒動に

 北九州市教育委員会は9月22日、SNS上で「北九州市教育委員会が、学校給食においてムスリム対応することを決定したという趣旨の投稿が見られる」と伝えつつ、こうした投稿は「誤情報」であるとし、「そのような事実はない」と発表しました。

 イスラム教では豚肉を食すことは禁忌とされており、ムスリムの女性が2023年、北九州市に対して「ハラル(ハラール)」対応した給食提供を求める陳情を提出していました。

 ムスリムの女性が提出した陳情は審議されたものの、結局は採択されなかった経緯がありますが、SNS上では「北九州市教育委員会が学校のムスリム対応を決定した」という誤情報として拡散していました。

 一連の騒動は中国でも大きな注目を集めており、中国のネットユーザーから多くのコメントが寄せられています。中国メディアの今日頭条で報じられた記事には、中国人ネットユーザーより「学校は宗教施設ではなく、ハラル対応した給食など提供する必要はない」、「外から来た人間は現地の法律を守り、現地の習慣を風習を尊重すべきだ」、「陳情を採択しなかった日本の対応は中国も見習うべき」だといった意見が寄せられていました。

 また、移民問題で揺れる欧州を引き合いに出し、「難民や移民に過度に寛容すぎた欧州はもはや死に体だ。今回の日本の決定は間違っていない」というコメントのほか、「中国の学校はどこも基本的にハラル対応の食堂が整備されている。日本に比べると我が国のほうが人権と自由を尊重していることがわかる」という声もありました。

 さらに目についたのが「入郷随俗」という声でした。入郷随俗とは「郷に入っては郷に従え」という日本語の起源となった中国の言葉であり、中国人の多くも「郷に入っては郷に従え」という考えは持っていることが見て取れました。

参考文献